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HN:飛鳥(あすか)
「世の中すべて広く浅く」
ぬるく生きています。



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続きです。
適当に更新してるけど、そのうち追いつかなくなりそうw
書けるときにたくさん書くことにしよう。

それにしても、こんなにたくさん活字を打つと、新しいキーボードがほしくなってくるんですけどw
んー、たたきやすいキーボード欲しいなー。

ということで、続きは↓からどうぞ。

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 【メロンパン】がなし崩し的に結成された次の日、他の同行者を探すためギルドに集まったフォスターとティリア。カウンターに座るとマリスが飲み物を持ってきた。
「いらっしゃい、【メロンパン】のみんな」
すでに登録済みのギルド名をあっさりと言うが、まだ納得していないフォスターは、憮然とした表情を浮かべる。
「俺はまだ認めていない」
そんな発言にもマリスはにこやかに答える。
「んもう、いいじゃない。登録もしちゃったんだから」
ティリアもマリスに便乗して会話に参加する。
「そうだよ~。これから一緒に冒険するんだから、仲良くしようよ~。ねっ♪」
「それとコレとは話が別だ」
とにかく二人に流されないようにと、自分を保つので精一杯なフォスター。
「とにかく、他の同行者を探すために集まったんだ。何か策はあるのか?」
と、話題を変えてその場を乗り切る。
「ん~……そうだなぁ~」
あからさまに首をかしげて手をあごの下に添え、どこからどう見ても考えているというポーズをとる。
「……無いんだな」
結論を出したフォスターだったが、ティリアには聞こえていないのか、依然考え込んでいる。
「そうねぇ……。今この街にいる冒険者もちょっと少ないから、ここで見つけるのは大変かもねぇ」
マリスの方も、商売上がったり感満載なトーンで厳しい現実を突きつける。
「結局今日は進展無しか……。仕方がない、とりあえずまた街を回ってくる。夕方辺りにもう一度ここで落ち合うぞ」
言うだけ言って席を立つフォスター。考え込んでいたティリアもさすがに気付いて慌てて後を追おうとする。
「ま、まってよちょっとぉ~!」
「あら、ひとりで行くことないじゃない、ティリアちゃんと一緒に行きなさいよ~」
マリスもティリアを擁護しつつフォスターの背中に言葉を投げかける。
そしてフォスターが木製の扉を開けようとした瞬間、扉が勝手に開いた。


木製の扉が開くと、ひとりの少女が立っていた。
立っている人物を見て驚いたのは、フォスターではなくティリア。
驚いたのはフォスターではなく、その後ろのティリア。
「あっ!!」
驚きの声を上げると、扉の前に立っていた少女も気付いて声を上げる。
「あーっ!!」
お互い大声を上げると、ギルド兼酒場である「金鹿の酒場」に居た他の数人がドアへ視線をやるが、自分に関係ないことが分かるとすぐに目線を外す。
「あら? もしかしてお知り合いとか?」
マリスがドアへ近づきながら言うが、声を上げた二人のどちらからも返事がない。
その後数秒経ってから、二人が同時にしゃべり出す。
「ティリアじゃない!」
「キーアァ~!」
二人は知り合いのようだ。というニュアンスだけしかフォスターには伝わらなかった。静止していた数秒の間、二人の間で何が行われていたのかは今後一切永遠の謎だ。
キーアと呼ばれた少女は、ティリアと大声で話始めようとするが、マリスに制止されてとりあずテーブルにつく。
仕方なくフォスターも同じテーブルにつくが、はっきり言ってフォスターが入れる空気ではないのがすぐに分かる。
「どうしたのこんなところで? それよりも何でひとりなの? ギルド入ってたんじゃなかったんだっけ?」
「あ、いやそれはそうなんだけど……ってそれもそうだけどティリアこそどうしたの!? 別のギルドに勧誘されたとかいって、前のギルド抜けて出て行ったんじゃないの?」
何やら話が盛り上がっているようである。ひとり蚊帳の外という雰囲気のフォスターは、マリスが入れてきたコーヒーをすすりながら、二人の会話を聞いている。話を聞いていて分かったことは、二人が知り合いであること。しかもかなり昔からの知り合いのようだ。そしてひとしきりお互いが質問攻めをし終えた頃、話がスタート地点に戻る。
「ん~、私が今ひとりっていうところなんだけど、実はそこはあんまり話たくないんだよなぁ……あはは……」
知り合って短いが、いつもはっきりとモノをいうティリアが口ごもっていることに、フォスターは少々驚いたが、その性格も知っての上か、キーアはそれ以上無理に聞くことはしない。
「そっか。ううん、話したくないならいいよ話さなくても。話したくなったら話してよ」と、早々にこの話を終わらせた。ところが、ティリアのほうは自分のことよりもキーアのことが気になって仕方がない。不公平とは思いつつも、聞いてしまう。
「キーアはどうして……」
最後までティリアが言う前にキーアは質問の意味を理解し、少し間をおいて話し始めた。


「あぁ~。僕ね……。前に入っていたギルドなんだけど、実は解散しちゃってさ……」
ちょっとうつむき加減で話すキーアを見て、ティリアは心配そうな顔でさらに聞く。
「解散って、なんで!? あのギルドって解散するようなギルドじゃなかった気がするけど……」
「うん……。でもちょっとギルド内でいざこざがね……。それが……」
と言い出したところでティリアが止めた。
「あ、うんごめんもういい。私も話してないんだし、いいよ話さなくても」
聞けば聞くほど、今ここに居る理由を話さなかった自分の不公平さに圧迫され、耐え難くなったティリアは話を打ち切った。
「でさ、キーアはどうしてエトリアへ?」
話題を変えようと、エトリアへ来た理由について聞いた。
「んー、最初は入れるギルドを探していたんだけど、3日くらい前にエトリアでギルドのメンバーを探しているっていう話を聞いてね。聞いてみたらティリアの名前も入っていたから、仲間に入れてもらおうかなーって」
と、さっきとは打って変わってニコニコと話すキーア。
「そうだったんだ。よっし、じゃあキーアも一緒に行こう!」
ティリアも相変わらずのノリに戻って元気よくキーアを誘う。と、自分の居ないところで勝手に話を進められているフォスターが割り込む。
「まて。俺はまだ入れるとは言っていない。勝手に決めるな」
至極当然のことではあるが、そんな正論がティリアに通じるわけもない。
「でも、メンバー探してたんだし、いいじゃん。キーアのことなら私よく知ってるし、信頼できるよ」
どこから沸いてくるのか、自信満々に答える。
「お前が知っていても、俺は知らない」
こちらも至極当然のことである。
そんな言い合いをしていると、そこへマリスがやってくる。
「キーアちゃんって……もしかしてリンドランに居たキーアちゃんかしら?」
思い当たる節があるようなニュアンスで言う。
「知っているのか?」
フォスターはティリアと向き合いながらも言葉だけはマリスへ向けて言う。問いかけられたマリスは、確認をとるようにキーアに向けて目だけを向ける。目を向けられたキーアは少し顔を曇らすが、すぐににっこりとマリスへ微笑みかけた。これは「言ってもいい」という合図だ。
「マリスさん……知ってるの?」
先ほど聞くことが出来なかった、というより聞くことをやめてしまった部分の話に、ティリアは少し戸惑いながらも聞く。
「ええ。リンドランの街なんだけど、1週間くらい前にちょっとした事件があってね」
マリスはキーアに許可をもらったことをいいことに、どんどん話していく。フォスターとティリアはマリスのほうに目をやりつつ、、キーアは少々目線を落としながらもマリスの話に耳を傾ける。
「リンドランの近くに森があるんだけど、最近大型の獣の群れが住み着いていたみたいなの。そこで、リンドランの冒険者ギルドがその獣の群れを殲滅してほしいっていう依頼を出したんだけど、なかなか殲滅できなくて困ってたのね。そこに現れたのがキーアちゃんが前に居たパーティ。見事依頼を果たしたんだけど、実はその群れのボスがちょっといわくつきの獣でね」
「……ギャリックか」
フォスターが独り言のようにつぶやく。マリスはその答えに対して頷きながら言う。
「そう」
キーアも知っている様子だが、ひとりだけ頭の上に「?」が付いている人物がいる。ティリアだ。
「何? そのギャリックって」
予想通りの質問をしてきたティリアに対して、フォスターが言う。
「ギャリックってのは、ちょっと前から懸賞金が懸かってたヤツだ。今まで複数の街を壊滅させている」
それからマリスが続ける。
「ギャリックは通常単独で行動するんだけど、このギャリックだけは群れを成して各地を移動しながら仲間を増やしていってるの。移動が早いからなかなか居場所が特定できなくて、中央政府も手を焼いていたわ」
困り顔で話しながら、マリスはなおも続ける。
「そのギャリックとキーアちゃんのパーティが戦ってくれたのよ。だけどギャリックをしとめることが出来なかった」
それを聞いてティリアがキーアを見る。ティリアの顔を見ると、キーアは意を決したように続きを話し始める。
「僕たちは5人でギャリックに挑んだんだ。でも群れの大きさが予想を遥かに上回っていて、僕たちじゃギャリックを手負いにする程度しかできなかった。しかも、仲間3人が犠牲に……」
たまらず顔を伏せてしまったキーア。しかし顔を伏せながらも、話は続けている。
「結局、生き残った僕ともうひとりで命からがらリンドランに戻ってきたけど、二人じゃ続けられないし、それが原因でちょっともめちゃって……」
そうして顔を上げたキーアの目からは、涙が流れていた。
「しょうがないよね。だからパーティは解散。あはは……情けないよね」
泣きながらも無理に笑顔を作ろうとするキーアの顔を見ると、その場に居る誰もが言葉を失ってしまった。
その沈黙を破ったのはティリア。
「キーアはやっぱり私たちのパーティ入るべきだよ。ねっ! フォスター!」
言葉のトーンとは裏腹に、ティリアの顔は真剣そのものだった。
「足手まといにならなければ、まあいい」
その言葉がフォスターの精一杯の優しさなんだと、ティリアはすぐに理解できた。
「あ、ありがとう。……フォスターでいいのかな。僕はキーア、改めてよろしく」
キーアは泣き顔を笑顔に変えて、フォスターに向ける。当のフォスターはもちろん、顔は合わせていない。
「うふふ。これでメロンパンも3人になったわねぇ~♪」
マリスは嬉しそうに言いながら、3人のコーヒーを入れ替えるためにカウンターへ戻っていった。
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